ディジタルカメラなどによって、撮影された風景の画像から印 象派風の画像を生成する。 RGB 値を CMYK 値に変更し、 K (黒) の値を基準に CMY の値を変更する ことにより、画像全体の色調を変更し、印象派風の画像を生成する。 そして CMY 値を変更する基準を検討し、それを適用する事により、さらにに印象 派風画像に近づけた。
一般的に PC 等のコンピュータにおいて、画像データは、RGB (赤、緑、青)と いう光の 3 原色の強さをそれぞれ 256 階調に数値化する事により、様々な色を 表現している。 このような画像データをカラープリンタを利用して出力する際、プリンタ側では、 コンピュータから送信された画像データの RGB 値を CMYK (シアン、マゼンタ、 黄色、黒) カラーマップに変換し、その値を用いて印刷を行う。これは、インク ジェット方式のカラープリンタのインクが、 CMYK の 4 色の物である事からも 明らかである。
ジェットインク方式のカラープリンタを使用した際、まれに、 CMYK の任意のイ ンクの量が十分でない為、コンピュータ上に表示されている画像とカラープリン タによって出力される画像の色が、著しく変化する場合がある。 特に、K (黒) の値が著しく減少した場合、コンピュータのディスプレイ上で暗 く写っていた部分の、黒色成分が無くなってしまうので、全体として、鮮やかな 画像が出力される事になる。 この画像は、黒の成分が無くなっている為、元の画像よ り格段に鮮やかな印象派の画家が描いた絵のような画像であった。この事実から ある画像データの RGB 値を CMYK 値に変換し、その K の値を 0 にしたものを RGB 値へと再変換するフィルタを作成すれば、印象派風画像が生成できる。
印象派風画像生成フィルタの 2 つの機能に分解できる。 1 つは RGB 値 を CMYK 値に変換する機能であり、もう一つは、 CMYK 値から K の値を 0 にし、 RGB 値へと再変換する機能である
RGB カラーマップから CMYK カラーマップへの変換方法は決定的な手法が確立し
ていないらしい。よりより変換方法を調べる事も重要である。しかし、今回はそ
の変換法を用いた画像生成を目的としているので、様々な変換方法の中から、1
つを選択し、それを利用して印象派風画像の生成を行う。以下に RGB から CMYK
への変換方法を記す。 RGB を CMYK に変換する際に、まず RGB を CMY に変換
し、変換された CMY から CMYK に変換する必要がある。
また、RGB の値はそれぞれ 0 から 255 までの値を取るものとする。
Cyan | 255 - Red |
Magenta | 255 - Green |
Yellow | 255 - Blue |
Black | Minimam(Cyan, Magenta, Yellow) |
Cyan | Cyan - Black |
Magenta | Magenta - Black |
Yellow | Yellow - Black |
3.1 では、RGB から CMYK への変換方法を述べた。この節では変換された CMYK 値から、如何に K 成分を除去すれば、より印象派絵画風の画像が生成できるか について、述べる。
まず、 CYMK から、 RGB への変換方法を考える。これは RGB から CYMK への変 換の逆を行えば良いので、以下のように行われる。
Red | 255 - Cyan + Black |
Green | 255 - Magenta + Black |
Blue | 255 - Yellow + Black |
RGB から CMYK への変換と、CMYK から RGB へ の変換、そして CMYK から RGB への変換の際に Black の値を変更するプログラム
CMY の最小値と最大値を取り、その値の差によって、 K 成分の大きさを変更するという方法を用いた。また、単に製作者サイドで決定した値でのみ K 成分の大きさを変更するのでは 面白みにかけるので、 CMY の最小値と最大値の差が幾つの時に K 成分の変更を 行うかと、何段階の変更を行うかという 2 つの値を設定可能にした。