無25歳月がつくる彩。
古い農家の柱や梁、壁や障紙を見ると、自然や人のみならず、歳月がつくる彩や形の存在に気づく。「家は生きもの」といわれるが、その実感がわく。わらぶき屋根は、もはや日常の風景ではないが、秩父では数戸ながら、今だに住まいとして生きている。住んでいるのは、どの家でも老人たちである。そこでは、人も家も調度も同じ時間の中で、ゆっくりと変わってゆく。樹木の年輪のように色を重ね、艶を含み、光や闇を吸いながらそれらは無彩の方向へ動いている。老いとも成長ともつかぬ静かな変化によって。
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