秋01
絵巻物としての札所巡り。
秩父の風景を広く眺める視点は、こうしかない。盆地を囲む山々の頂からと、その底で、ぐるりと見廻すかである。そして、人は谷に棲み、神々は山に在る。外界との絆は僅か2本の道が通じるのみ。しかし、秩父がしばしば箱庭にたとえられるのは、こうした風土上の特異性だけではなく、そこに「回遊性」や「連句性」といった、かつての庭園が持っていた造景的要素を、生成(きなり)のままに残しているからだろう。
札所寺院を巡る人々が「絵巻物」のような 形容するのも、「箱庭」と同じく無理がない。
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