夏19
春の流れ。
秩父路の晩秋の空は、深く青い。春の空は、枯れた地表からのぼる霞におおわれ白っぽい印象がある。この土地の「青」は、文字通り寒色の範中である。しかし、空を映す水の色となれば、その限りではない。まず色の幅が違ってくる。ブルー直訳の青ではなく緑から藍を含む総称的な「青」になる。空を映す水。それは荒川をはじめとする無数の流れである。秩父の青は、そこで洗われ、生命を表わす彩となり、やがて冬空の下、祭のいなせを示す熱い色の奔流になる。
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