図形要素を型で分類し、その代数計算を効果的に進めるには、代入処理による型変換を効率よく設計する必要があります。一般的な代入文は Y=Xの形です。この幾何学的な意義は、「左辺の幾何学的要素Yに、右辺の幾何学的要素Xの性質を取り込む」ことです。左辺と右辺とが同じ型であれば、単純にYがXに等しくなるだけです。左右の変数の型が異なる場合、その組合せが何通りかありますが、ここではその一部として、右辺が2次元の点(x,y)である場合を例として示します。
表3.3 Y=Xの代入文でXが2次元の点(x,y)の場合の代入規則
代入先Yの型 |
代入の結果得られる成分内容 |
整数 |
xを整数に型変換して取り出す |
実数(1次元の点) |
xを実数として取り出す |
2次元の点 |
(x,y)をそのまま代入 |
2次元の直線 |
(x,y)を通るように平行移動 |
2次元の円 |
中心が(x,y)になるように平行移動 |
2次元の矩形 |
中心が(x,y)になるように平行移動 |
2次元の線分 |
始点を(x,y)とするように平行移動 |
2次元の変換行列 |
6成分の内、最後の2成分を(x,y)とする |
3次元の点 |
(x,y,0)を代入 |
3次元の直線 |
点(x,y,0)を通るように平行移動 |
3次元の平面 |
点(x,y,0)を通るように平行移動 |
3次元の球 |
中心が(x,y,0)になるように平行移動 |
3次元の直方体 |
中心が(x,y,0)になるように平行移動 |
3次元の線分 |
始点を(x,y,0)とするように平行移動 |
3次元の変換行列 |
12成分の最後の3成分を(x,y,0)にする |