4. ファイルを使う処理

4.1 ファイルとディスクの用語

4.1.1 ファイルの用語は事務処理から転用されたこと

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 古い時代のコンピュータは、プログラムのソースコードやデータをカードやテープなどの媒体で扱いました。この媒体を、古い用語ではDECKと言いました。データの中身を言うときはデータセット(data set)と言いました。事務処理用のプログラムを作成するとき、扱う中身は帳票など、紙に書いたデータですので、データの集まりをファイルと呼ぶようになりました。フォルダも文房具の用語ですが、ファイルの集合をそう呼ぶようになったのも自然です。紙に代わる媒体を扱う装置をファイル装置と呼ぶようになりました。媒体は、紙テープ・磁気テープ・パンチカード・ディスクなど、種々の開発がされました。テープレコーダのような装置もありますが、円盤(ディスク)を使う方法が一般化しましたので、ファイル装置よりもディスク装置の呼び名が一般化しました。媒体が変れば、それを読み書きする装置が変りますので、プログラムも書き換えなければなりませんでした。そこで、データの中身が同じならば、装置の相違があっても、プログラムの変更がないような工夫が必要でした。そこで登場するのがオペレーティングシステム(OS)であって、装置の相違をここで吸収するプログラムです。最も利用頻度の高い媒体がディスクであることから、他の総ての入出力装置も、抽象化してディスク装置として扱うOSが工夫されました。これがDOS(disk operating system)です。ディスク装置の広い概念には、キーボード、モニタ、プリンタも含みますので、初心者は面くらいます。DOSは一般名詞扱いの用語です。MS-DOS,PC-DOSなどは商品名であって固有名詞扱いです。


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