1980年代のマイコンに搭載されていたBASICインタプリタは、初心者がプログラミングを覚えるツールとして取っ付き易いものでした。しかし、8ビットのプロセッサを使う限り、ユーザがコマンドを追加することができませんでした。つまり、専門別の問題を解決するプログラミングには能力不足でした。その解決方法は二つです。一つがビット数の多いパソコンの利用です。16ビットパソコンのNEC PC98は一時代のブームになりました。それは、当時の16ビットプロセッサを使う中型コンピュータに匹敵したからです。もう一つは、パソコンを見限って、大型コンピュータを利用する高級言語に乗り換えることです。最も良く使われたのはFortranです。この言語では、多くのサブルーチンをライブラリに構築しておいて、それを組み込む利用ができます。しかし、マイコンのコマンドインタフェースに較べると、ユーザインタフェースは良くありませんでした。その解決の一つのアイディアは、Fortranのサブルーチンを、あたかもマイコンのコマンド並に使う方法を開発することでした。そこで、Fortran言語を使って簡単なBASICインタプリタをコーディングし、そこの追加コマンドとして種々のサブルーチンを繋ぎました。Plain_Basicは、Fortranに代えてBorlandのC++Builder 5で書き換えたバージョンです。教育利用を主な目的として、最小限のインタプリタの骨格に、基本的グラフィックスルーチンを加えました。やや専門的な利用のバージョンも別にあります。主要なものは、幾何計算用のツールをまとめたGeometry_Basic(G_Basic)、幾何モデリングのサブルーチンライブラリを組み込んだGEOMAP+Pbasicがあります。これらのユーザインタフェースはPlain_Basicと殆ど同じです。