例えば「10÷3の答は3、余りは1」のような整数計算は、数学では答を商、余りに剰余の用語を当てます。ここでの商は、割り算(除算)の答の小数以下を切り捨てる整数除算です。演算子記号に、通常の実数除算記号 / に代えて整数除算記号 \を使うことがあります。普通のプログラミング言語では、数の型に実数型と整数型とがありますので、割り算の答を整数型に代入すれば整数の商が得られます。余りの方は単純計算ができませんので、剰余関数を準備するようになってきました。キーワードMODはラテン語のmoduloから来た用語です。電卓は便利なようですが、余りの計算が直接にはできません。余りの計算は、日常的にはお釣の計算があります。設計計算で、或る寸法を一定間隔で分割するときの「寸法余りを求める」などに現われ、需要は案外多いものです。具体的な計算を助ける関数として、Plain_Basicでは剰余計算の関数MODを用意しました。「10÷3は答3余り1」の計算をしたいときは、整数型の変数、例えばKとJを使って、下のように入力します。
K = 10 / 3 : J = MOD(10, 3) : PRINT K, J (Enter↓) (2.6)上の式で、Kの代わりに実数型の変数、例えばA,Bを使って試してみて下さい。
A = 10 / 3 : B = MOD(10, 3) : PRINT A, B (Enter↓) (2.7)このような計算結果の違いは、数の型の違いを理解することと、剰余関数があることで比較計算が得られます。この計算では、暗黙の型の定義が応用されています。何も宣言をしなければ、頭文字がI,J,K,L,M,Nであるのは整数型、それ以外は実数型の約束にしてあります。これはFortran言語の習慣を踏襲したものです。