パソコンは、個人が独り占めで使うコンピュータの意義で使うようになった用語ですので、共同利用を考えた大型コンピュータの対義語です。したがって、パソコンではファイルの管理は自己責任が原則です。共同利用の環境にあるときは、他人のディスクファイルを自由にアクセスすることの制限ができます。この措置はパソコンの環境では扱いません。パソコンは、ユーザレベルで自由にファイルを扱えますが、同時に、大事なファイルを消してしまう危険も背負います。DOSの環境では、見掛け上の並列処理ができませんので、何かのプログラムを実行しているとき、ファイル名の一覧を見ることができません。それに対して、Windowsの環境では、ファイルエクスプローラを並列に起動してファイル名を探すことができますし、ファイルのダイアログボックスを表示させてファイルを選択することもできます。そこでファイル名を確認すれば、上書きのミスを防ぐことができます。カセットテープには、書き込み禁止にするために、小窓にある爪を折ります。フロッピーディスクやMOには書き込み禁止の窓を閉めると記録ができます。この処置はユーザには分かり易い物理的な安全対策です。しかし、内蔵のハードディスクでは、ソフトウェアで書き込みの禁止や解除をしますので、うっかり同じ名前で上書きや消去をしてしまうことも起こります。始末の悪いのは、インターネット経由で侵入するコンピュータビールスです。内蔵ハードウェアは、現在までのところ、ユーザレベルで物理的な読み書き禁止ができませんので、侵入者に悪用されます。