コンピュータを利用して図を描かせることの総称がコンピュータグラフィックスです。手で描くときの作図の技法は、線を描いて輪郭を作り、その内側を墨や絵の具で濃淡を付けます。この方法のコンピュータ化は、ハードウェア・ソフトウェア共に種々の開発がされてきました。ソフトウェア的に言うと、線を引いて図を描くことを英語でline drawing(線図)、ある区画を決めて、その範囲を色で塗り潰すことをpainting(濃淡図)と言い、この二つは別扱いです。ある領域を他の領域と区別するとき、線図では塗り潰しに代えてハッチングで作図します。濃淡図の方は、濃淡の度合いを定量的に制御できないと同質の図を再現できません。そのため、濃淡図は、小さな点(ドット)の集合密度と点の大小を変えて表します。写真を印刷物に使うとき、細かな点の集合図形に直すことを網掛けと言います。この作図法は、滑らかな線を描くのが苦手です。点の大小とその疎密をまとめてコントラストと言います。そうすると、小さな点の大小表示ができて、密度の変えられるグラフィックス装置でないと微妙な濃淡図を表すことができません。線図は、線の太さを変えますが、濃淡を変化させませんので、コントラストは白か黒(0か1か)の区別だけです。文字も図形ですが、太さに変化を付けた線図で表示します。つまり、コンピュータグラフィックスは作図装置に大きく依存します。