5. グラフィックスのプログラミング

5.2 座標系の知識

5.2.2 数学座標系と装置座標系の考え方が異なること

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 手で図を描くとき、座標の考え方を必要としませんが、相対的な位置関係や大きさを表すために長さの基準は必要です。物差しコンパスは基本的な作図の道具であって、これを使って描く図を用器画と言います。コンピュータグラフィックスは、一種の用器画です。この場合には、図の位置と大きさを決める基準が必要ですので、ここに座標系の考え方を使います。しかし、現実問題に応用する具体的な座標系の約束は、単純ではありません。コンピュータグラフィックスの画面はモニタを使うのが標準です。それはほぼ垂直な面です。座標の原点は左上にあり、右向き(X)と下向き(Y)に正の整数で座標を測ります。この尺度はピクセル単位ですので、実寸法ではありません。水平面に置いた用紙上に図を描くときは数学座標系(デカルト座標系)を考えます。その向きは右向き(X)と、手前から向こう向き(Y)を正の向きとし、マイナスの座標値も使います。単位も便宜的に考えます。空間的に考えると、X軸Y軸の向きの定義が左手系右手系との違いがありますし、Y軸の向きが垂直と水平と違っています。そうすると、空間的に3番目の座標軸Zを考えるとき、その向きも変ります。モニタ上の図形を印刷するときには、図の実寸法を正しく表す座標系と対応させなければなりません。


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